医師が処方する薬で大勢の患者が薬物依存(中毒)に陥っている現状
(薬剤治療上の問題点・・・その薬で治るのか)

そもそも治療のゴールとは

患者が求める治療のゴールは、発症前の健康を取り戻し、しかも薬とは縁が切れている状態です。

CSS内疾患、とくに線維筋痛症は難しい病気ではありますが、実際に、さまざまな回復策や治療の結果、痛みそのほかの症状がまったくなくなり、しかも薬とは完全に縁が切れ、完治した線維筋痛症の元患者さんが、私以外にもたくさん存在し、そのうちの何人かはネット上に治った、回復した、社会復帰できたという情報を発信しています。

これをみても、最終的に薬とは完全に縁が切れて、もとの健康体に戻ることが可能ですし、患者にとってのゴールと言えます。

薬治療

薬剤は、基本的には身体に負担を与える化学物質です。

長期に服用すれば腎臓や肝臓に負担をかけ、消化器官にダメージをもたらし、体の持つ免疫力を下げ、その結果として感染症に弱くなり、だんだんと体を損なっていきます。

抗うつ剤等には緑内障などの副作用を持つものもあります。

薬依存(中毒)の危険性

さまざまな抗うつ剤や抗不安剤、精神薬、そのほかの鎮痛剤として服用する薬の多くには、強い依存性(続けて服用すると薬物中毒に陥りやすい)があります。

依存(中毒)は、次第に身体が薬に対する耐性を獲得することで(同じ量ではだんだん効かなくなる)薬の量が増え、中止すると苦しい禁断症状があらわれたり、そのために薬の中止が困難になる状態を指します。

下記の電子図書によれば、線維筋痛症の患者にも、医師に処方された薬で薬依存になり、薬を中止したくても止められない状態になった患者さんがたくさん出ています。

「抗不安薬による常用量依存
-恐ろしすぎる副作用と医師の無関心、精神安定剤の罠、日本医学の闇-」 戸田克広著

http://p.booklog.jp/book/62140/read
http://p.booklog.jp/book/63494/page/2011096

*著者の戸田克広医師は、1985年新潟大学医学部卒業。現在、廿日市記念病院リハビリテーション科勤務。2001年1月~2004年2月までアメリカ国立衛生研究所(アメリカの医学研究のトップ機関)に勤務した際、線維筋痛症に出会い、日本の現状を知る。帰国後、線維筋痛症を中心とした中枢性過敏症候群などの治療にあたっている。日本線維筋痛症学会評議員。著書に『線維筋痛症がわかる本』(主婦の友社)。

https://www.carenet.com/conference/qa/autoimmune/mt110927/index.html

また、戸田医師とは別に、内科医として薬物依存(中毒)患者の断薬治療を行い、多数の本でその危険性を啓発している内海聡医師は、本の中で、「(一般の)内科医は、ベンゾジアゼピン系の安定剤がどれほど危険かほとんど知らない」と、内科医の認識不足に警告を発しています。

線維筋痛症患者だけでなく、精神科や心療内科の処方で、抗うつ剤や抗不安剤の依存になってしまっている患者は大勢います。

最近は、発達障害の診断のもとに、子供にも大量の抗うつ剤や精神薬の処方が行われるようになっていますし、若年性線維筋痛症の子供にも、さまざまな薬が処方されています。

(若年性線維筋痛症については下記参照)
http://homepage3.nifty.com/fmsjoho/page023.html#lbl06

「若年性線維筋痛症」について

*(厚労省の「若年性線維筋痛症」研究班の報告として)「成人線維筋痛症で使用されている鎮痛剤、抗炎症剤や抗うつ剤などは、若年性線維筋痛症に全く無効である。」と出ています。

「新・医療ビジネスの闇「病気産生」による日本崩壊の実態」崎谷博征著・学研出版・によれば

また、アメリカでも医学を学び、薬物が起こす問題に精通している、崎谷博征医学博士は、この「新・医療ビジネスの闇「病気産生」による日本崩壊の実態」の90ページで、「薬を子供に長期投与した場合の、効果・副作用についてのデータがない」と述べています。

http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4054056784/ref=dp_top_cm_cr_acr_txt?ie=UTF8&showViewpoints=1

(この本では他にも、ファイザー社がガバペンチンに関する医学論文を、効能「化粧」専門のゴーストライターに書かせた問題など、医学論文の粉飾・ねつ造についても触れられています。)

NPO法人医薬ビジランスセンターや内海医師によれば、子供に抗うつ剤や精神薬を投与するのは無効であるだけでなく、非常に危険ということです。

子供に薬が処方された場合は、出された薬をよく調べ、副作用や依存性について、よく確認してください。上記の医薬ビジランスセンターや内海医師が、副作用や依存について、製薬会社から独立した立場で調べた本や情報誌を出しています。

下記の内海聡医師著「大笑い!精神医学」のレビューのなかにも、深刻な例がたくさん出てきます。現場をよく知る看護師や心象心理士などが、医療現場について、内海医師の本の内容を裏書きするコメントを書き込んでいます。

http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4883205738/ref=dp_top_cm_cr_acr_txt?ie=UTF8&showViewpoints=1

(「大笑い!精神医学」内海聡著 三五館)

http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4883205541/ref=dp_top_cm_cr_acr_txt?ie=UTF8&showViewpoints=1

(「精神科は今日も、やりたい放題」内海聡著 三五館))

*家族や本人が薬依存になってしまった人のレビューを読むと、一度重度の依存になってしまうと抜け出すのが困難なことを痛感させられます。覚せい剤を止める施設ダルクのように、専用の施設に入り長年かかっても、それでもまだ脱却は困難という人もいるほどです。

専門家によれば、依存からどうしても抜けられず多量の薬を常用し続ける患者は、いずれ脳の委縮が始まったり、酷い場合には廃人状態に陥ります。

また、内海医師は、著書「医学不要論」のなかで下記のように書いています。

「ベンゾジアゼピン系の安定剤がどれほど危険かを、(日本の)内科医はほとんど知らない。

睡眠剤などのベンゾ系の薬は、飲み続けると死亡率を著しく高めることもアメリカの大規模研究で明らかになっている。ベンゾジアゼピン依存症もアシュトンマニュアルも知らない日本の医師たちはガラパゴス医師と呼ぶにふさわしい(くらいの)愚劣さである」


これを読むと、多くの医師は、患者が薬依存になってしまった場合の断薬対策、バックアップ体制もなしに、患者に依存性のある薬を処方していることになります。

内海医師はフェイスブックでも活動していますから、抗うつ剤などの危険性について疑問のある方は、直接尋ねてみてください。

処方された薬で完治するのか

FM治療に使われる薬は、根治療法ではなく、基本的には上記のような鎮痛薬ですが、鎮痛薬を服用する場合、患者はその薬で果たして治る(薬なしの健康体を指す)のか、そして治る時期はいつなのか、それを知る必要があります。

「FMが治っている患者さんは大勢いる」と言う医師もいます。しかし、それではいったい、どの治療をどのくらい行った結果、何人の患者さんが治ったという肝心のデータが見当たりません。

線維筋痛症学会が出しているガイドラインがありますが、この薬剤選択には、科学的根拠はありません。(下記参照)
https://www.carenet.com/conference/qa/autoimmune/mt110927/index.html

*上記より引用

日本のガイドラインにも科学的根拠がないことはガイドラインに記載されている*5

*5 西岡久寿樹: 治療総論. 日本線維筋痛症学会編, 線維筋痛症診療ガイドライン2011. 日本医事新報, 東京, 2011; 82-92.

線維筋痛症の場合、薬剤の治療成績(どのくらいの割合の患者が、どのくらいの期間の服用で、薬剤なしでの健康体に戻っているか)は、ほとんどないのですが、例外的に、上記の戸田医師の記事のなかに、さまざまな薬による治療計画、治療成績が提示され、最終的に、薬剤を中止しても痛みが再発しないという患者さんの例(5人、全体の15%)が載っています。

これは、「線維筋痛症から回復した患者のHP」にも引用しています。


薬による治療成績を公開している例としては、ほかに今野医師の著書がありますが、この本では、薬を使った治療で、薬と縁が切れた例は示されていません。

一方、薬を使わずに温泉療法やサプリメントで順調な経過をたどっている例が文中に示されています。(本はHPで紹介しています)

「自分は治るのか」

薬剤治療の場合は、患者は医師に、自分は治るのかどうか、その可能性を確認し、経過をよく見て、医師の知識や治療技術が自分を治すのに足りているのかどうか、判断してください。

患者さんはおよそ、医師を怒らせるのを怖がり、聞きたいことさえ聞けない傾向があります。しかし聞きにくいことを聞いたときの医師の反応、対応も含め、医師が自分を治せるのかどうか、よく見極める必要があります。

これは治療を受けている患者しかできませんし、患者であれば、治療の経過をみてある程度のことはわかるはずです。

私の経験でも、治療を受けて「これは駄目だ」と思った場合は、その後よくならず、悪化することがほとんどでした。


私やほかの回復した患者さんの経験からすると、回復するときは、治療開始後、最低でも半年経てば、何らかの変化があらわれます。

半年経っても回復の傾向がみられなければ、最終的に治るのかどうか、医師に再確認する必要があると思います。


処方された薬を「弱い薬だから」と医師に言われたり、思うように回復しないと「違う薬にしましょう」と言われたら、果たしてその薬で治るのか、また、たとえ「弱」くても長期に服用した場合に、だんだん量は増えないのか、依存にはならないのか、必ずそれを確認しなければなりません。

上記に書いたように、多くの患者が医師の処方する薬で中毒に陥っています。

そういう現状をみると、内海医師が指摘するように、多くの医師の「薬依存」に対する認識は非常に甘いと思います。

私が線維筋痛症に詳しいとされる医師の投薬を受けた際も、依存性の危険についての説明は、まったくなされませんでした。

「治療はまず薬」と言われ、医師からそのほかの選択肢は示されず薬を処方されましたが、依存性のある薬をそのような形で処方され、医師を信頼して薬を飲んだ患者さんの多くは、まさか、自分が将来、依存(中毒)になる可能性があるとは夢にも思わないと思います。

このように、依存や中毒の危険について医師の知識がないことは、患者の重大な不利益に結びつきます。

医学系学会といえども任意団体ですし(野田聖子自民党総務会長)、学界の紹介による医師による治療といえども、線維筋痛症が治ることも、投薬によって依存・中毒にならないことも保障されていません。

治療後に「薬なしの状態で健康に戻っている」か

最終的には、これが重要なポイントです。

薬を使わないで完治すれば、将来的にも薬は必要なく、長期の服用で身体を傷める心配もしなくて済みます。

「ただ、鎮痛薬を飲んで痛みを押さえる、麻痺させる」というのは、根本的な解決にならず、典型的な対処療法です。将来、薬なしの健康体に戻る展望が見えません。

私(小田)はHPに書いているように、薬を使わずに回復し、ほぼもとの8割程度の健康を取り戻しています。噛み合わせ治療のほかにも、いくつかのセルフケアには、長期的に閾値を上げて行く効果がありました。

私はこれまでの闘病のなかで、薬による回復がほぼゼロであり、逆に薬によって悪化したことが多く、ここ7年以上、消炎鎮痛のための湿布薬も含めて、薬は全く用いていません。

私が受けた治療に関するデータ

私が受けた噛み合わせ治療では、1回の施術前とその後、(数十分の経過後)、ペインビジョンで痛み度を測った数字が、720から148へ、921から100へ等、痛みを表す数字が非常に下がった患者8人分のデータが、日本臨床リウマチ学会誌(平成21年9月発行)に発表されています。

研究されない治療

日本では製薬会社の影響が強く、たとえ多くの患者さんに効果があったとしても、薬使用につながらない治療の研究には公的な研究費がつきません。

私が受けた噛み合わせ治療だけでなく、ほかにもそういう例は枚挙にいとまがありません。

分子栄養学に基づく「栄養治療」でCSから回復した患者さんのレポートを、「患者の声4」に入れましたが、この栄養治療も、国内外でさまざまなデータが蓄積され、治療面でも大きな成果を上げていますが、いまだ国内では標準治療に取り入れようという動きはなく、いつまでも自由診療のままです。

その結果として、薬を使わない治療については、どれだけたくさんの患者さんが回復していても、必要な調査が行われず、治療を研究するためのデータが蓄積されません。

ですが、患者に有益なら、どんな治療でも必要に応じ選択肢に入れていくのが回復への道です。

***

しかし、なかには噛み合わせ治療でも回復しない患者さんもいますし、噛み合わせ治療は費用がかさむという問題もあります。

しかし、国内外には、それ以外にも代替医療や統合医療と呼ばれる新しい医学的流れがありますし、そういう分野には、FMにも適用できるような痛み対策や痛み治療法が蓄積されています。


たとえば今野医師の本にも、薬に過敏なためにアロマテラピーを使い、鎮痛薬を少量使うだけで新聞配達ができるまで回復した患者さんの例があります。

アロマテラピーに関しては、国内では、ペインクリニックの医師が中心になって日本アロマテラピー学会が設立され、このアロマテラピーが痛みの治療に使われています。

これは一例で、FMにも応用可能な痛み治療に関して、患者が知らない情報は、じつは非常にたくさんあります。

線維筋痛症などのCSS

FMなどのCSSは、複雑でさまざまな要因が入り組んだ病気です。

一つの治療のみで完治したという患者さんもいますが、それだけでは駄目な患者さんもいるでしょうから、患者さんごとに自分固有の病態を把握して、さまざまなやり方を覚え、試し、自分に合った方法やアプローチをつかむことが大事です。


FMやCSSは、これまでの医学的常識の枠に入らない新しい疾患です。これは、いくら言っても足りないような重要な事実です。(下記参照)

『線維筋痛症とその他の中枢性疼痛症候群』(Fibromyalgia & Other Central Pain Syndromes)

4. 中枢性過敏症候群(中枢感作症候群)の概念

これは、治療に関しても、過去の医学常識の枠を超えたさまざまな方法に、可能性があるということを意味します。

従来の医学的枠組みからの頭の切り替えが必要とされますが、これが、西洋医学を学んできた多くの医師に、いまだに理解されていません。

ある方法で患者が劇的に回復した場合には、それは偶然ということはあり得ず、かならず回復するだけの理由があり、その理由を考えていくことで、従来の医学常識を超えた、さまざまな工夫やセルフケアが考えられます。

今野医師は著書で、「線維筋痛症の疼痛はゼロにできない」と書いています。これは、今野医師個人が疼痛ゼロになった患者に会ったことがないということで、実際には薬以外のやり方で疼痛ゼロ、完治に至った患者さんが何人もいます。

翻って、今野医師の言葉は、明らかに現在の薬剤治療の限界を示しています。

また、治った患者は情報の宝庫です。医師が知らない知恵や知識を山のように持っています。患者も医師も、そこから学べることがたくさん存在しています。

(文責:小田博子)

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